釘打機(ネイラ)とはどんな機械か。仕組み、使い方も解説します。 釘打機(ネイラ)とはどんな機械か。仕組み、使い方も解説します。

釘打機(ネイラ)とは?

1.釘打機(ネイラ)とは?

釘打機(ネイラ)とは、『釘』を打つ道具です。
釘打機は大きくわけて4種類の動力があります
①エア・・・コンプレッサーの圧縮空気でピストンを動かす
②電気・・・電磁石で打つ方式とモーターの力で打つ方式がある
③ガス・・・ガスの燃焼でピストンを動かす
④火薬・・・火薬の爆発で釘を打ち出す

 国内外ともにエア式の釘打機がよく使われています。 マックス株式会社では、昭和37年に国産初のステープルを打ち込むエア式ネイラ『エアタッカT2-A』の開発に成功し、 生産・販売を開始しました。
※以下国産第一号機 エアタッカT2-A

ネイラ一覧

2.釘打機とネイルとスーパーネイラ

釘のことを英語でネイル(nail)といいます。
コイルネイルは、コイルのように螺旋状や渦巻状に巻いた連結釘のことをいいます。

コイルネイル
コイルネイル2
ネイラ一覧

コイルネイラは、コイル状に巻かれた連結釘を打つ釘打機のことです。
エアネイラは、圧縮された空気の力で釘を打つ釘打機のことです。
マックスでは、エアネイラ、コイルネイラなどを総称してネイラと呼んでいます。
また、特に高圧の空気の力を使う釘打機のことをスーパーネイラと呼んでいます。

※「スーパーネイラ」「コイルネイラ」はマックス株式会社の登録商標です。

スーパーくん

3.ネイラも釘も一緒に考えてつくっています

 マックスは釘打機(ネイラ)本体の技術革新は当然のことながら、釘やステープルの品質向上も怠りません。
釘打機(ネイラ)用の釘は、送り不良や詰まりを減らすために市販のバラ釘よりも精度が求められます。
製品品質の均一化のために、高精度の品質管理を行っています。

 マックスは、使う人がいつも快適に作業を行えるよう、釘打機(ネイラ)、エアコンプレッサー、釘・ステープルを国内で自社開発し、最高の性能を発揮できるように常に研究を重ねています。

藤岡工場

4.釘の選び方

 留め付ける材料の3倍の長さの釘というのがひとつの目安になっています。 また、施工後が目立ってはいけない場所にはピンネイルやフィニッシュネイル、カラー釘を使用するのが一般的です。
※場所によっては、使用する釘が規定されている箇所もあります。例:構造用合板、N50

選び方
選び方2

※薄鋼板やコンクリートへ釘を打つ際は、以下の図を参考にして下さい。

コンクリ

5.消耗品と釘打機(ネイラ)

 釘やステープルのことを総称して消耗品といいます。施工する箇所によって使用する消耗品が異なり、それに伴い使用する釘打機(ネイラ)も使い分ける必要があります。

消耗品の種類

【釘】

釘打機用の釘です。コイル状に巻かれたタイプや斜め直線状に連結されたタイプなど連結方法がいくつかあります。

釘

【ステープル】

コの字形の留め具です。ホチキスの針のように接着剤で連結されており、長さ・幅の種類がいくつもあります。

ステープル

【ピンネイル】

主に巾木などの仕上げ部材に使用される頭なし釘です。

ピンネイル

【フィニッシュネイル】

頭の小さい仕上げ部材用釘です。色のバリエーションが最も豊富です。下地材施工にも使われています。

フィニッシュネイル

【ブラッドネイル】

頭径が小さく、また保持力があるため、フロア施工にも使用可能な仕上げ釘です。

ブラッドネイル

【コンクリートピン】

コンクリート用のピンネイルです。

コンクリートピン

【ねじ】

コイル状に巻かれたねじです。主に石膏ボード用に使われます。

ねじ

【仮釘】

仮留め用の釘です。

仮釘
立て方構造
施工箇所: ①床合板・屋根垂木・間中
床合板・屋根垂木・間中

床合板はN75を使用することが一般的ですが工務店様によってはCN75やCN90を使用する場合もあります。

施工箇所: ②野地板・野縁・胴縁
野地板・野縁・胴縁

野縁施工では釘を斜め打ちすることが多く、釘打機先端の引っ掛かり、視認性が重要視されています。

施工箇所: ③フロア
フロア

床板とフロア材の間に遮音シート等を施工する場合は主に50ミリのステープルが使われます。

施工箇所: ④石こうボード
石こうボード

界壁等で石膏ボードを2枚重ねて施工する場合、2枚目の石膏ボード施工には41ミリネジが使用されます。

施工箇所: ⑤化粧ボード・化粧合板
化粧ボード・化粧合板

化粧ボードでは、その材料色に合わせた色のフィニッシュネイルで施工されることが多く、化粧ではないボードには4Jステープルが使用されています。

施工箇所: ⑥サイディング
サイディング

バラ釘が支給された場合、WH-2を使用してプラシート連結釘を作製し施工します

施工箇所: ⑦軒天
軒天

4Jステープルが使われることもあります。フィニッシュネイルは保持力が弱いのでボンド併用となる為、最近はほとんど使われていません。

施工箇所: ⑧巾木・廻縁
巾木・廻縁

以前はフィニッシュネイルが使用されていましたが、最近はより打ち跡の目立たないピンネイルが主流になっています。ただし保持力は弱くなります。

施工箇所: ⑨鋼製束
銅製束

施工時、ボンドが釘打機に付着しないようお気を付け下さい。万一付着した場合は速やかにボンドを除去してください。

6.工法

 ひとくちに釘打機(ネイラ)の用途が住宅建築といっても工法は様々で、そこで使用される建材も数多くあります。工法・建材によって、使用する釘・打ち方・打つ本数が異なり、当然使う釘打機(ネイラ)も異なります。

【軸組工法】

 土台、柱、梁、 筋かいなどで骨組み(躯体)を組む工法です。日本では最も一般的な在来の木造住宅の工法で、年間の着工戸数の約半数以上を占めています。

 現在では躯体・外装・内装の施工にたくさんの釘が使われています。

軸組工法

【2×4工法 (two by four method)】

 昭和49年に北米から導入された工法で、2×4インチ※の断面をもつ角材が多用されるため、2×4(ツーバイフォー)工法と通称されます。

 日本では、『木造枠組壁工法』とも言われ、角材と合板を釘でとめ、パネル化した床や壁は、強固に一体化し箱型の構造になるのが特徴です。

 ※乾燥材の場合、実寸法は、38mm×89mmです。

2×4工法

【プレハブ (prefabricated housing)】

 床や壁や屋根といった部材をあらかじめ工場で生産して、現場で組み立てを行う工法です。

 木質系・鉄骨系など、メーカー毎に工法が異なります。工期の短縮化、現場での労働の省力化、品質の安定といった利点があります。あらゆる部位に釘が使用されています。

プレハブ

【鉄筋コンクリート構造 (reinforced concrete structure)】

 主体構造を鉄筋コンクリートで構築する構造です。略して「RC造」ともいわれています。

 耐震・耐火・耐久に優れており、マンションなどのビル建築に多く用いられています。内装施工には釘が多く使用されています。

鉄筋コンクリート構造

7.木造一軒家で使用される釘は約75,950本!

木造一軒家で使用される釘は約75,950本!

8.釘打機はこんなところでも使われています

家具・梱包

 ソファ、タンス、椅子等ソファの底をみると、レザーや布地がたくさんのステープルでとめられており、ここに釘打機が使われているのが分かります。

ネイラくん

 梱包では、輸出用の木箱梱包や電線を輸送するドラム、フォークリフト用のパレットにも太く長い釘が使われています。 また、自動車のドアの内張りやシート張りには、ソファと同じ様に大量のステープルが使われています。
 変わったところでは、ビルの屋上・トンネル・地下鉄などのコンクリートの内側に防水シートを張るのにも役立てられています。

イラスト
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